動物取扱業者には第一動物取扱業者と第二動物取扱業者の二種類があります。
第一種動物取扱業者とは、動物の販売、保管、貸出、展示、競りあっせん、譲受飼養を仕事として行う人のことを指します。
第二種動物取扱業者とは、飼養施設を設置して、一定数の動物を飼養し、非営利で譲渡、保管、貸出し、訓練、展示を仕事として行う人のことを指します。
ペットホテルの営業を行うには第一動物取扱業者の「保管」に該当するため、第一動物取扱業者の基準や決まりを守らなければなりません。これは動物愛護管理法で定められています。
(1)第一種動物取扱業の登録について
第一種動物取扱業の登録については、営利目的での動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養を業として行う場合には、第一種動物取扱業者として、営業を始める際に、当該業を営もうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事等の登録を受けなければなりません。(法第10条第1項)
例えば、東京でペットホテルを開設したいのであれば、東京都の都道府県知事に登録の申請をしなければならないということです。また、都道府県知事等が、業務の内容や、実施の方法が動物の愛護及び管理に関する法律施行規則で定める基準に適応しない場合や、飼養施設の構造、規則及び管理の方法が規則で定められている基準に適合しない場合には、登録を拒否しなければなりません。また、これらの基準が破られたときには、都道府県知事は登録を取り消すか、業務の停止を命令できます。
第一種動物取扱業では専属の動物取扱責任者を、常勤職員の中から1名以上設置しなければなりません。他店との兼務はできないので注意が必要です。一定の要件を満たした人が動物取扱責任者となります。
動物取扱責任者は、第一種動物取扱業を行うにあたって、登録申請に必要な要件であり、独立した資格ではありません。新しく動物取扱責任者を選任する場合は、動物取扱責任者研修を受講しなければなりません。動物取扱責任者は、動物取扱責任者研修を1年に1回以上受講しなければなりません。
動物取扱責任者になるには以下の①~④までのいずれかを満たす必要があります。
(1)獣医師の免許を取得していること。
(2)愛玩動物看護師の免許を取得していること。
(3)次の【1】、【2】の両方を満たしていること。
【1】種別に係る半年以上の実務経験または、実務経験と同等の1年間以上の飼養経験
【2】種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する学校等を卒業
(4)次の【1】、【3】の両方を満たしていること。
【1】種別に係る半年以上の実務経験または、実務系経験と同等の1年間以上の飼養経験
【3】公平性、専門性のある団体が行った試験により資格等を得ていること
※「実務経験」、「飼養経験」、「1年以上教育する学校等」、「資格」などの詳細は動物愛護相談センターに問い合わせることが必要です。
実務経験は、常勤の職員として在籍するものに限りますので注意が必要です。ペットホテルが該当する「保管」では、飼養施設の有無に限らず、販売、保管、貸出し、訓練及び展示に該当する施設で実務経験を行う必要があります。(例えば正社員でペットショップやペットホテルで1年間働くこと。)
飼養経験は、実務経験と同等と認められる1年間以上の経験が必要となりますが、認定されるかの確認が必要であるため、動物愛護相談センターに問い合わせをしてください。教育機関に関しても認められる教育機関に該当するか動物愛護相談センターに問い合わせしてください。
資格については、ペットホテルが該当する「保管」では以下の資格が有効になります。
・愛玩動物飼養管理士(1級・2級)
・愛犬飼養管理士
・愛護動物取扱管理士
・家庭犬訓練士(初級、中級、上級、教師)
・家庭動物管理士
・競技別指導者資格馬術コーチ
・競技別指導者資格馬術指導員
・競技別指導者資格馬術上級コーチ
・公認訓練士(一般社団法人 ジャパンケネルクラブ)
・公認訓練士(公益社団法人 日本警察犬協会)
・公認馬術指導者資格コーチ
・公認馬術指導者資格指導者
・実験動物技術者(2級)
・小動物飼養販売管理士
・乗馬指導者資格(中級)
・地方競馬教養センター騎手課程修了者
・調教師
・動物介在福祉士(初級、中級、上級、教師)
・動物看護師(初級、中級、上級、教師)
・動物取扱士(3級)
・トリマー(初級、中級、上級、教師)
・認定ペットシッター
・ペットシッター士※平成21年4月1日以降取得したものに限る
・GCT(Good Citizen Test)
・JAHA認定家庭犬しつけインストラクター
以上の資格が必要になります。