わんちゃんねこちゃんの病気について

病院診察

メスのわんちゃんねこちゃんの病気

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)とは、子宮に膿(うみ)が溜まってしまう病気です。
高齢で子犬、子猫を生んでいないと発症する確率が高くなります。
黄体期(発情終了後~3か月)に発生しやすく、ホルモンの影響によって、子宮内膜の免疫力が低下し、大腸菌などの感染が起こりやすくなってしまいます。
症状は、多飲多尿、腹部の膨満、食欲不振、抑うつ、嘔吐などがあります。この病気には、開放性と閉鎖性の二種類に分類されます。開放性は、膿が膣から排出されるため、子宮蓄膿症に気付きやすいです。動物が陰部を舐めている様子があれば確認してみるとよいでしょう。
閉鎖性は膣から膿が排出されず、子宮の中に膿がどんどんたまっていきます。これは、開放性とは違い、膣から膿が排出されません。そのため開放性より、病気に気付くことができません。また、子宮に膿が溜まり、溜まりすぎると子宮が破裂することがあります。卵管を通して腹腔内に漏出する可能性があります。子宮の破裂や腹腔内に漏出すると細菌性の腹膜炎を起こすこともあり大変危険です。子宮蓄膿症の予防としては、卵巣子宮摘出術です。避妊の予防にもなるため、子犬、子猫を望まない場合には避妊をして、子宮蓄膿症の予防もしてしまうと一石二鳥です。

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)とは、名前の通り乳腺に腫瘍ができることで高齢のわんちゃん、猫ちゃんに多いです。
乳腺腫瘍はわんちゃんで多く、良性と悪性では半々の50%確立です。猫ちゃんでは癌の中では3番目に多い腫瘍で、わんちゃんとは異なり80%~90%が悪性です。悪性腫瘍であると転移しやすいため、注意が必要です。乳腺腫瘍は避妊手術で予防することができます。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)とは卵巣に腫瘍ができることです。卵巣腫瘍は、腫瘍が大きくならなければ発見することは難しいです。腫瘍が大きくなるとお腹が張ってきます。症状は陰部からの出血、不定期な発情です。子宮蓄膿症を発症することもあります。避妊手術で予防することができますが、避妊手術を行っても卵巣が残っていると卵巣腫瘍になることもあります。

オスのわんちゃんねこちゃんの病気

前立腺肥大

前立腺肥大(ぜんりつせんひだい)とは前立腺が肥大したことを言います。肥大とは細胞の容積が大きくなり臓器、組織が大きくなることを言います。6歳以上の去勢手術をしていない雄でよくみられます。原因は、男性ホルモンの刺激です。無症状なことが多いですが、しぶり(便を出そうとしても出ない)、おしっこができない、血尿が起こることもあります。予防として去勢手術があります。

精巣腫瘍

精巣腫瘍(せいそうしゅよう)には、ライディッヒ細胞腫(間質細胞腫)、セミノーマ(精上皮腫、精細胞腫)、セルトリ細胞腫があります。セルトリ細胞腫は女性ホルモン由来の場合、雌性化を起こします。ライディッヒ細胞腫は、潜在精巣の犬に発生しやすいです。比較的良性で、転移もあまりしません。ライディッヒ細胞腫で分泌されるホルモン(アンドロゲン)によって、肛門周囲腺腫や前立腺疾患を併発する可能性があります。セミノーマは潜在精巣の犬に多く、比較的良性です。しかし、リンパ節への転移がまれに生じることがあります。

会陰ヘルニア

会陰(えいん)ヘルニアは、直腸壁を支える筋肉が萎縮することによっておこる病気です。原因はホルモンであったり、先天性など様々な影響があると考えられています。症状は会陰部の腫脹や便秘、無尿、嘔吐などを起こします。特に犬では中高齢の雄に発生することが多いです。この病気は自力で排尿ができなくなるため手術が必要になります。ホルモンの影響も考えられるため、去勢手術での予防が可能となります。

肛門周囲腺腫

肛門周囲腺腫(こうもんしゅういせんしゅ)は去勢手術をしていない、高齢のわんちゃんで見られます。良性腫瘍です。まれに避妊手術をしていない女の子のわんちゃんにもみられることがあります。肛門周囲腺腫ではホルモン依存性なので去勢手術をすることで腫瘍の縮小がみられます。しかし、肛門周囲癌ではホルモン依存性ではないため、去勢手術では予防することができません。しかし、癌の方は発症率は低いです。症状は肛門を舐める、肛門を擦り付けたりすることがあります。腫瘍が大きかったりするとうんちやおしっこをする際に痛みを伴うこともあります。

潜在精巣

動物には精巣下降というものがあります。精巣下降とは、精巣が陰嚢内に移動することです。わんちゃんは生後約30日、猫ちゃんは生後約20日で起こります。しかしこの精巣下降が起こらないことを潜在精巣(せんざいせいそう)といいます。潜在精巣になると、腫瘍発生の原因になります。特にセルトリ細胞腫とセミノーマの発生率が高くなります。そのため、早めの去勢手術を行うことが大切になります。

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